終活には欠かすことの出来ないエンディングノート。
とりわけ、お一人様、お一人暮らしの方にとって、エンディングノートはご家族がいらっしゃる方以上に大切なものです。
なぜでしょうか?
こちらをお読み戴ければ、その理由が分かります。
また、その理由だけではなく、
●エンディングノートって、結局なあに?
●エンディングノートの選び方ってあるの?
●エンディングノートって、どのようなことについて書くの?
などなど、エンディングノートについての全般が分かります。
エンディングノートとは

緊急時、非常時や万が一のとき、また意思が伝えられなくなったとき(重度の認知症や脳死状態等になったとき)などに、必要事項やご自分の思いを周囲に伝達するためのノートです。
エンディングノートで出来ること/使い方
- 自分の生い立ちや親戚、友人、趣味など様々なことについて記録しておくことが出来る。
自分自身のこれまでを顧み、今を見つめ直すことが出来る。 - 自分の希望や意思を伝達することが出来る。
- 持ち物、保有物の洗い出し、総ざらいをすることになるため、生前整理や断捨離が出来る。
- 火事や地震など災害非常時の持ち出しノート・備忘録となる。
- 将来どの項目について「法的な準備」が必要かの判断が出来る。
エンディングノートには、法的な効力はありません!
エンディングノートの選び方/5つのPOINT

実際にエンディングノートを購入する際、考慮したいPOINTは5つあります。
POINT1 適切なサイズ・型であること。
- ノート版(B5判)以上の大きさが書き易く、見易い。
- 日記のような単行本型は、開いたままにしておき難く、書くときに押さえなければならず書き難い。
POINT2 読み物記事は、最低限の分量で構成されていること。
終活についての周辺説明やアドバイス記事を豊富に盛り込んだ、読み物として成立しているエンディングノートも多くあります。
ただ、時の流れと共に法律や制度も変更されますし、そういった知識が必要な場合には、情報だけで一冊の本になっている書籍を購入し、エンディングノートはエンディングノートだけとして利用できるものが良いのです。
※読み物部分が多いほうが単価が高く、厚さも厚い傾向にあります。
POINT3 書き直しがし易いこと。
エンディングノートは、環境やご自分の状況の変化に合わせて、毎年のように修正したり、書き足したりしていく必要があります。
一度書いて”お終い“というものではないので、あまり高価なものではなく、買い替えしやすいものが良いのです。
ネット上でダウンロードできるPDF形式のエンディングノートも複数あるようです。
そちらであれば、修正したい頁だけ印刷のうえ再記入すれば良いので、余計な手間が省けますね。
この頃では、市区町村で「エンディングノートの無料配布」をされているところも増えてきました。無料であれば、差し替えも手軽ですので、エンディングノート入手の際は、お住いの市区町村にお尋ねになってみてくださいね(^_-)-☆
POINT4 「レ点(チェック選択式)」で済む箇所は、「レ点方式」になっていること。
エンディングノートは、毎年のように更新する必要が出てきます。
1箇所1箇所書き直すのは結構な時間と手間が掛かりますので、選択が出来る項目に関しては、レ点(チェック)方式になっているものが便利です。
購入の際は、よく中身を吟味して買いましょう。
POINT5 最初は分厚くない、薄いノートを選ぶこと。
エンディングノートを綴る最初の頃は、考えることも迷うことも多く、なかなか筆が進まないもの。
最初から記入項目も多い分厚いノートを選ぶと、余計書く気が起こらなくなります。
先ずは薄いノートから始め、一通り記入した後にもし項目が不足していると感じたら、より厚いノートを入手するようにしましょう。
エンディングノートの記載事項/書き方

エンディングノートに書き入れることは、大きく分けて6項目あります。
1.自分について
- 自分史(生い立ちや経歴、系図など)
- 趣味や好きな食べ物などの趣向
- 家族・親戚・友人・知人について

家族・親戚・友人については、氏名・連絡先の他に、
入院や死亡した際に「知らせてほしい人」「知らせてほしくない人」や「お見舞いや葬儀に来てもらいたい人」「お見舞いや葬儀に来てもらいたくない人」の別。また、それぞれの方へのメッセージなどを書く欄もあります。
2.財産について
- 保有している財産・・・預貯金、有価証券、車、家、土地、ローンなど
- 上記保有財産をどのように処分したいか、誰に相続させたいか。
※エンディングノートには、法的な効力は無いのでご注意を! - 自宅に関しての将来的な希望
※バリアフリーにしたい、もっと小さいところに住み替えたい、賃貸に出したい、施設に入ったら自宅は処分して欲しい、、、など。 - 年金について・・・年金番号や振込銀行口座など
- 加入保険について・・・保険商品名や取扱金融機関、担当者、引落口座など
銀行口座の暗証番号・PW・保有金額は、エンディングノートには記入しないでください!!
3.医療について
- 病歴や持病について
- 掛かりつけ病院や担当医について
- 服薬しているお薬について(お薬手帳の在処について)
- 医療保険証について・・・番号や区分など
- がん告知や余命告知など告知に関する希望
- どの段階までの栄養摂取を望むか。
※経口での摂取が出来なくなったら不要とか、点滴はして欲しいとか、経鼻胃管や胃ろうまで望むなど。 - 延命措置に関する希望
- 尊厳死宣言書の作成希望の有無
「延命措置はせず、尊厳死を望みます。」という自分の意思を、医療関係者や親族らに表明表示する書面のこと。「リビング・ウィル」とも呼ばれます。
- 臓器提供の部位希望について
- 医療に関する判断能力が無くなった場合の代理人について
- 入院費など医療費の支払者、同意書の記載者、保証人などについて

4.介護について
- 介護保険証について・・・保険証番号や区分
- 介護に関してのキーマンは誰にしたいか。
また、実際に介護を担ってもらうとしたら誰にお願いしたいか。 - 介護は在宅でしたもらいたいか、介護が必要になったら施設に入所したいかの別。
- 施設に入所するとすれば、どのような施設が良いか。条件は?
- 看取りについてはどうしたいか。最後の最期は自宅に戻りたいのかなど。
- 介護費用の支払者、同意書の記載者、保証人などについて
5.葬儀・お墓について
- 葬儀の形式及び内容についての希望
- 葬儀の生前準備がある場合は、そちらに関して。
- お墓、お骨についての希望
- 埋蔵(収蔵)先との契約や散骨の手配など生前準備がある場合は、そちらに関して。
6.その他の大切なことについて
1.愛するペットちゃんについて
- 自分が急病などになったときの預け先について
- 自分が亡くなった時のペットちゃんの行く末について
2.デジタル処理について
- PCやスマホなどのデバイス本体やUSB及びCloud上などに保管されているデータ、また、ネットで契約したサービス情報やログイン情報などの「デジタル遺品」となるもの、ハードとしての機器(広義ではこれらも「デジタル遺品」)を、どのように処理したいか。
エンディングノートを書くときに気を付けること

- エンディングノートには、法的効力は無い。
- 人の批判などは書かない。
- 1年に1回など、情報を定期的に更新する。
- 先ずは、書けるところから少しずつ書き始める。
- 保管場所を考えておく。
「保管場所」については、他人が気軽に手に取れるところは避けましょう。
かといって、イザという時に見つかり難い場所も宜しくないですね。冷蔵庫にしまっているという方も!本当に近しい方には、保管場所を伝えておきましょう。
お一人様の老後やもしものとき、エンディングノートが役に立つ理由(わけ)
お一人様とご家族のいらっしゃる方とは、エンディングノートの意味合いが違ってきます。
お一人様の老後やもしものとき、エンディングノートは、大いに助けとなるのです♡
お一人様が、もしも緊急入院したら!!

緊急搬送時、付添い者がいないこともままあるお一人様、、、
1に記載する「親戚・友人・知人の連絡先」や、3に記載する「医療について」が大変役立ち、搬送先の医療関係者や、駆け付けてくれるかもしれない親戚・友人・知人の方々を、慌てさせ悩ます心配もなくなります(o^―^o)
お一人様が、もしも認知症になったら!

何か重大な選択を迫られたとき、お一人様には、覚悟を持って判断してくれるご家族はありません。
3に記載する「介護について」の希望があれば、周囲の方々に「判断させる」重荷を背負わさせることがなくなります。
また老人施設入所となった場合には、施設側の書類に1記載のプロフィールや趣味趣向を書くことを求められます。
病院にせ老人施設にせよ、長期間となれば、2記載のご自宅の処分についての希望や年金、保険についての項目も大変助かります。
お一人様が、もしも急死したら!

1記載の「親戚・友人・知人の連絡先」や5記載の「葬儀・お墓にについて」が大変役立ち、周りの方にご迷惑を掛けることなく、皆様に安心してお見送りを戴けます。
まとめ/お一人様にとってのエンディングノート
これまでの人生を、ご自分の足で歩まれてきたお一人様。
老後も、万一の際も、ご自分の希望をしっかりと通し最後までご自分らしく生きるため、出来る限り周囲に迷惑を掛けることなく、余計な揉め事など起こらぬよう、自身で事前に対処しておくため、お元気なうちに「エンディングノート」を認(したた)めておくことは、とても大切なことだと思います。
さあ、お一人様の皆様!この機会に「エンディングノート」を書き始めてみませんか!
